春駒
正月に馬の作り物を携え、民家を訪れて回った門付の祝福芸です。
江戸時代の中頃には存在が明らかになりますが、宮中の正月祝賀の一つで、白駒を見て邪鬼を祓う「白馬節会」(あおうまのせちえ)にちなむものとの説があります。また、馬頭の作り物に棒をつけてまたがって遊ぶ玩具も春駒といいます。
また張り駒(制作方法の張子紙から呼ばれていた)がなまって春駒になったという説もあります。昔、自給自足の時代に、人が行き交い、人が集まるところには、土産物屋が自然発生しました。そこで現金収入を得るために、子供向けや記念品として商人や旅人に串馬(馬の頭の形をしたものに竹を刺した簡単なもの)を売っていました。新春に馬頭観音をお参りしていたことから、春駒になったともいわれています。